GNOME 3.18 には、他にも新機能や改良点がたくさんあります。Boxes や Polari の改良、タッチパッドやタッチスクリーン操作の強化など様々です。
マルチタッチジェスチャー (たとえばピンチ操作でズームや回転するなど) は、GNOME 3.14 の時点で既に導入されていました。しかしながら、これはタッチスクリーンでのみ操作可能でした。3.18 で、ついにタッチパッドでもマルチジェスチャーが使用できるようになりました。
使用可能なジェスチャーとしては、画像ビューアーやドキュメントビューアー上で、二本指によるズームや回転操作などがあります。他にも、四本指の縦ドラッグでワークスペースを切り替えることも可能です。将来的に、もっと多くのジェスチャーをサポートするよう計画されています。
この機能は Wayland でのみ利用できます。
GNOME の IRC アプリケーションである Polari は、3.18 で多くの改善点があります。ペーストサービスとの統合を行ったことで、大きなテキストブロックの共有も簡単にできるようになりました。この機能を使用するには、共有したいテキストをチャットの入力欄に貼り付けるだけです。すると、Polari がそのテキストをオンラインサービスにペーストし、そのリンクを現在のチャットチャンネルに送信してくれます。
他にも、初回起動時に接続設定のガイダンスを付けてユーザー体験を向上させたり、エラー時により分かりやすいフィードバックを行ったり、新着メッセージをわかりやすく表示したり、多くの改善点があります。
Boxes は、仮想マシンやリモートマシンを使用するための GNOME アプリケーションです。3.18 で、広範囲に渡る改良を施し、よりいっそうパワフルになりました。
リストビューが新しくなり、各ボックスの詳細が確認できるようになりました。大量のボックスが存在する場合に役立ちます。特にサーバーを運用している場合に便利です。
メインビューにフィルター機能を搭載し、リモートあるいはローカルボックスの絞り込み表示ができるようになりました。
ボックスの IP アドレスをサムネイルの下に表示するようにしました。コマンドラインからボックスにアクセスするときに便利です。また、複数のボックスを区別するときにも役立ちます。
Fedora 21 以降の高速インストールをサポートしました。
強制シャットダウンおよび再起動アクションへのアクセスが、より分かりやすく簡単になりました。
ボックスを使用していないときにも、強制的に稼働したままにするオプションを設けました。ボックスをサーバーとして運用している場合に役立ちます。
タッチスクリーンを使った、テキストの選択、切り取り、コピー、貼り付け操作が、3.18 で劇的に改善しました。テキストの選択範囲を調整するハンドルをより大きくし、見やすさも向上しました。さらに、ポップオーバーを新しく採用し、切り取り、コピー、貼り付けなどのアクションが簡単にできるようになっています。テキスト操作全般に改良を施しています。
3.18 では、スクロールの改善に力を注ぎました。キネティックスクロール (スクロール移動が慣性を持ち、物理的に自然に感じられるもの) がタッチパッドで動作しない問題が修正されました (キネティックスクロールが、GTK+ で処理されるようになったためです)。
新しい自動スクロール機能が追加されました。これは、スクロールを一定方向にゆっくり行うものです。マウスやタッチパッドの副ボタン (通常では右側のボタン) でスクロールバーを押すと、自動スクロールが機能します。この変更により、他のスクロール操作の方法を改めることになりました。具体的には、ページ単位のスクロールは、Shift キーを押したまま主ボタンのクリックで行うように変更されました。
To Do は、GNOME 3.18 でテクニカルプレビューとしてリリースされる新しいアプリケーションです。シンプルなタスク管理ツールであり、タスクの登録、グループ化、色分け、優先度の付与、メモの貼り付けなどができます。タスクのスケジューリングもでき、今日ビューでは、次に行うべきタスクの一覧をさっと確認できます。
いつもどおり、他にも細かな改良点が今回のリリースにはたくさんあります。いくつかをご紹介します。
システムメニュー (画面右上隅にあります) を洗練させました。構成をシンプルにし、小さいながらもより見やすくなりました。
Web (GNOME のブラウザー) がより高速になりました。表示画像の画質も向上しました。
Bluetooth 共有の設定を Bluetooth 設定側に取り込むことで、より見つけやすくしました。他にも、Bluetooth 設定には様々な改善点があります。たとえば、機内モード時の説明をわかりやすくして適切な対応が取れるようにしたり、利用可能な Bluetooth デバイスがない場合によりわかりやすいフィードバックを行うようにしました。
ログアプリケーションのレイアウトを改善して、ログをより効率的かつ簡単に読めるようにしました。また、表示するログをシステム起動単位で選択できるようになりました。
Web で動画を全画面再生中に、自動で画面ロックが掛からないようにしました。
進捗スピナーのアニメーションが非常に滑らかになりました。
ドキュメントのコレクションダイアログを大きく改善しました。レイアウトを見直し、名前の変更や削除をより簡単にできるようにしました。
ドキュメントビューアーの Evince は、ビデオやオーディオなど埋め込みのマルチメディアコンテンツを再生できるようになりました。
Evince は、注釈機能のインターフェースも大幅に改善しました。注釈の移動が可能になり、またハイライト表示を使った注釈も新規に導入しました。
システムのモーダルダイアログのスタイルを見直し、GNOME の他のウィンドウとマッチするようにしました。
Web 内蔵の PDF ビューアーに検索機能を搭載しました。
地図は、位置だけでなく、方向も表示できるようになりました。また、緯度/経度の座標情報や geoURL を入力できるようになりました。
そして、いつもどおり、3.18 では大量のバグを修正しました。
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