GNOME 3.10 には、新しいアプリケーションがたくさんあります。たとえば、ミュージック、写真、メモ、地図です。また、多くの既存アプリケーションにも改良が加えられています。
ミュージックは、GNOME 3 の標準オーディオプレイヤーとなるべく計画されており、GNOME 3.10 で、テクノロジープレビュー版としてデビューすることになりました。ミュージックは、シンプルで無駄のないインターフェースを備え、アーティストや、アルバム、トラック 別にコレクションをブラウジングするのに適しています。将来的には、メディアサーバーの楽曲を再生する (UPnP 経由)、オンラインソースから楽曲を取得する、などの機能をサポートする予定です。
地図は、GNOME 向けの新しい地図ビューアーです。世界中の膨大な人々の協力と貢献によって作成された OpenStreetMap のデータをベースとして、道路地図や衛星写真を見ることができます。地図では、町や都市、ランドマークの名前で検索したり、知りたい場所、例えば "cafes near Main Street, Boston" や "Hotels in New York" などで検索することができます。
3.10 で作成された、新しい GNOME 地理位置情報フレームワークを使用しており、ユーザーの居場所を特定し、現在位置の地図を表示したり、検索時にユーザーのいる位置を表示できます。
写真は、GNOME 3.8 で最初に導入された新しいアプリケーションです。その後も成熟を続け、コアアプリケーションセットのれっきとしたメンバーに仲間入りしました。画像の閲覧、整理、印刷機能を持ち、オンラインアカウントとも統合されています。Flickr アカウントの画像をアプリケーションから直接閲覧でき、他のオンライン画像サービスもサポートするよう取り組みがすでに行われています。写真は、DLNA 対応のテレビや電話、GNOME 搭載コンピューターなど他のデバイスに画像を送って表示することができます。
メモは、元々 GNOME 3.8 のときに Bijiben という名前で導入されました。その後も成熟を続け、ownCloud を使ったメモの保存もできるようになりました。メモの作成、参照、検索が簡単にできるシンプルなインターフェースを備えています。また、自動保存機能もあり、作業内容を失う心配はありません。
時計のストップウォッチとタイマーに、アナログタイマーのようなアニメーションを付与しました。これにより見映えも改良され、ユーザーへのフィードバックとしても機能します。また、時計 は、3.10 で地理位置情報もサポートしています。これを有効にすれば、ユーザーのいる場所を自動で検出して最も近い都市の時計を表示できます。
Tweak Tool は、GNOME 3.10 向けに一新しました。設定オプションを再整理し、参照しやすくしました。また、各オプションの配置やラベルを見直し、設定の意味を理解しやすくしました。
GNOME のブラウザーである Web も、3.10 で多くの改良があります。他のアプリケーションと同様に、タイトルバーとツールバーをヘッダーバーとして一つにまとめました。これにより、ウェブページの表示に多くのスペースを割けるようになりました。また、システム検索との統合を行い、ブラウジング履歴を検索してアクティビティ画面から直接ページを開くことができます。そして、GNOME が取り組んでいるプライバシー保護強化の一環として、デフォルトの検索エンジンを DuckDuckGo に切り替えました。
Boxes は、ファイルシステムイメージをインポートできるようになり、例えば QEMU (.cow, .qcow, .qcow2)、生ディスクイメージ (.img)、VirtualBox 1.1 (.vdi)、VMWare 3, 4 (.vmdk)、VirtualPC (.vpc)、および Linux 圧縮ループイメージ (.cloop) をサポートしています。
ドキュメントは、ownCloud に保存したドキュメントのブラウジングと参照ができるようになりました。
連絡先は、ユーザーインターフェース周りの改善がたくさんあります。例えば、連絡先リストの更新、連絡先ペインの見映えの改良、連絡先のリンクとアドレス帳変更の新ダイアログなどです。
ドキュメントビューアーは、DjVu をサポートし、新しく検索結果表示用サイドバーを設けました。また、長い間待ち望まれていた、PDF キャレットとキーボードナビゲーションをサポートしました。この機能により、移動可能なカーソルをテキストページに配置し、キーボードを使った移動やテキスト選択が可能となりました。キャレットナビゲーションは、F7 を押すと有効になります。この機能を実現するための作業は、Friends of GNOME アクセシビリティキャンペーンで集まった基金によって可能となりました。
Boxes で、コンピューター間におけるファイルのドラッグアンドドロップをサポートしました。この機能は、高速インストールオプションを使って作成した新規仮想マシンでは自動で有効になります。非高速インストールによるもの、あるいは古い仮想マシンの場合は、新しい spice-vdagent が必要になります。Microsoft Windows 仮想マシンは spice-guest-tools を必要とします。
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