GNOME 3.10 には、他にもたくさんの新機能や機能強化があります。この最新バージョンに加えられた、その他の改良点の一部を紹介します。
アプリケーション起動ビューはスクロール移動ではなくページ単位で画面を切り替えられるようになりました。また、他にもレイアウトやアニメーションなど多くの改良が加えられています。ページ機能によって、より簡単にアプリケーションを見つけ出せるようになり、アプリケーションフォルダーとの統合もより効果的になりました。GNOME 3 のこの部分のルックアンドフィールを改善するために、多くの時間を掛けてきました。
3.10 からは、デスクトップの背景とは異なる画像をロック画面の背景として設定することができます。これにより、カスタマイズできる範囲が広がるだけでなく、ロック画面とデスクトップセッションとを容易に区別できるようになります。ロック画面の画像の変更は、背景設定からできます。
スクロールバーに新たなモードを追加し、きめ細かなスクロールができるようになりました。ごく小さな距離だけスクロールしたい場合でも正確に移動することができます。この機能は、特にスクロール可能範囲が非常に大きい場合に威力を発揮します。ファインスクロールを有効にするには、スクロールバーのつまみをクリックしてしばらくホールドするか、あるいは Shift キーを押しながらつまみをクリックします。
設定の多くの箇所に GNOME 3.10 向けの改良を施しました。
日付と時刻: もっと使いやすくなるよう徹底的に見直しました。タイムゾーン地図を大きくして見やすくし、各オプションもより明瞭にしました。自動タイムゾーン設定を新規に設けました。これは、3.10で導入された新しい地理位置情報フレームワークを使用しています。
ディスプレイ: ディスプレイセクションは、一からデザインし直し、設定がずっと簡単にできるようになりました。
オンラインアカウント: チャットアカウントをオンラインアカウントに統合しました。これにより、一箇所からすべてのアカウントにアクセスできるようになりした。2 段階認証プロセスを使って Google アカウントにログインできるようになりました。また、オンラインアカウントに Flickr を追加しました。
ユニバーサルアクセス: ユニバーサルアクセスの各セクションが別々のページに分かれていたのを見直し、ひとつのページにまとめました。これにより、探している設定を見つけるのがいっそう簡単になりました。
背景: ロック画面の背景機能に加えて、Flickr アカウントからも背景を選択できるようになりました。
GNOME フォントの Cantarell は、3.10 に向けて大幅に更新しました。グリフのカバー範囲を広げ、より多くの言語をサポートしました。また、既存文字についてもシェイプ、スペーシングに改良を加えました。その結果、より美しいインターフェースフォントとなり、読みやすさも向上しました。
高解像度ディスプレイ (あるいは高密度ディスプレイ) は、ますます一般的なものとなっています。GNOME 3.10 では、この種のディスプレイのサポートを導入し、増大したディスプレイ密度に合わせて画面の表示対象を自動的にスケーリングするようになります。これにより、コントールやコンテンツが適切なサイズで表示されるようになり、使いやすいインターフェースを実現しています。この成果は、 Brion Vibber および Intel の Open Source Technology Center (OTC) による高密度ディスプレイ搭載ラップトップの寛大な寄付があって、達成することができました。
ログインやロック解除の代替手段としてスマートカードをサポートしました。エンタープライズ環境における GNOME の配備を第一に考慮して、スマートカードを主たる認証手段として設定できるようになりました (同時にパスワードアクセスを無効化することもできます)。また、スマートカードを抜くとデバイスをロックしたりユーザーをログアウトさせる設定を施すこともできます。
拡大鏡ユーザーは、キャレットおよびフォーカストラッキング機能の搭載によって、より効率的な操作性を享受できるようになります。フォーカス対象のウィジェットやテキストエントリのキャレットを表示し続けられるよう、フォーカスの移動に合わせて拡大鏡も自動で移動します。拡大鏡を使いながらのキーボードによる入力と移動操作が、格段に簡単になります。
3.10 向けのコアユーザー体験に関わる細かな改良は他にもたくさんあります。
ログイン画面の改良。レイアウトを改良し、遷移を洗練させました。
テキストラベルのベースライン揃え。より規則正しく、一貫してテキストが配置されるようになりました。
キーボード操作可能なドロップダウンカレンダー、およびシステムステータスメニューのスライダーが、Orca スクリーンリーダーとともに使用できるようになりました。
ロック画面通知の外観の改善。
スクリーンリーダーのオン/オフ切り替えが、Super+Alt+S のショートカットでいつでも可能になりました。
ウェブアプリケーションにヘッダーバーを使用し、ナビゲーション用のコントールが便利になりました。
統一的なログアウトおよび電源オフダイアログ。他のログインユーザーやビジーアプリケーションの存在に関する警告を取り込みました (これらの警告は、以前は別々のダイアログウィンドウに含まれていました)。
新しいデフォルトの背景。
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