新しくなったこと 〜アクセシビリティ〜

GNOME 3.2 は今までで最も美しいアクセシビリティ機能の優れたデスクトップです。あらゆる人にとっての信頼性と使いやすさが強化されています。

GNOME 3.2 までは、支援技術のユーザーは不運な困難に直面していました。コンピューターを使用している最中にアクセシビリティ機能の支援を有効化することは不可能でした。AT-SPI2 の改良のおかげで、アクセシビリティ機能が有効になっているかどうかを、デスクトップに依存しないかたちで判定することができ、さらにその機能を有効にすることもできます。GNOME はこれを実現した初めてのデスクトップであり、真にデスクトップに依存することなくこの機能が動作するよう、ますます多くの作業が求められています。

他の改良点としては次のものがあります。

  • オンスクリーンキーボードを必要とするユーザー向けに、新しいキーボードが搭載されました。

    図 14オンスクリーンキーボード
  • アクティビティ画面は、キーボードによる操作がしやすくなりました。キーボードによる完全な操作を実現し、さらにスクリーンリーダー Orca のユーザーはナビゲーション中に、ずっと信頼性の高く正確なプレゼンテーションを体験できます。

  • Orca の introspection への移行により、GNOME のスクリーンリーダーの動作は非常に軽量になりました。今では ATK ブリッジは、支援技術が使用される際のシグナルを listen するだけでよく、GNOME のアクセシビリティ機能サポートは、性能低下をもたらさなくなりました。

  • アクセシビリティ・サービス・インターフェースの AT-SPI2 は安定性が大きく強化されました。クラッシュ、メモリリーク、またその他いろいろなバグが修正されました。

  • GNOME のアクセシビリティ実装ライブラリ Gail は、GTK+ に完全にマージされました。GNOME は、添えつけではない、組み込みのアクセシビリティにもう一歩近づきました。