新しくなったこと 〜アクセシビリティ〜

4.1. スクリーン・リーダと拡大鏡の改善

GNOME でスクリーン・リーダの技術を提供している Orca は、バージョン 2.22 でワクワクするような改善点がたくさん盛り込まれました。Mozilla との緊密な連携 (コラボレーション) により Firefox 3 でのアクセシビリティは「Accessible Rich Internet Applications (ARIA)」や「Live Regions」に対する Orca 内部でのサポートを含め、かなり向上しました。これにより、最近では流行の動的ウェブ・アプリケーションを使い、かなり充実したアクセシビリティを実現できるようになりました。

さらに、GNOME 2.22 の Orca には短縮型点字 (Contracted Braille) のレベル2サポートが追加されました。その他の改善点の多くは品質や安定性の向上に関するものです。

スクリーンの拡大鏡が改善され、Xの合成 (Composite) のような技術を利用できるようになりました。それにより、ハードウェアの技術で滑らかにスクロールさせたりフルスクリーンでスクロールさせることができるようになりました。さらに、色覚異常フィルタのサポートもいろいろ改善されました。

4.2. マウスの新しいアクセシビリティ

GNOME 2.22 では新たにマウスを制御するために拡張された次に示すアクセシビリティ機能一式が含まれています:

  • 特定のエリアに入ってきたポインタを捕獲する機能
  • マウスの第一ボタンだけでコンテキスト・メニューを開く機能
  • いろいろな種類のクリック (例えばシングル・クリックとかダブル・クリック、コンテキスト・クリック、ドラッグなど) をマウスのボタンを使わずに実行する機能 (自動クリックの機能)
図 7マウスの操作性に関するオプション